夜尿症（おねしょ）とは

「おねしょ」と「夜尿症」

夜尿症の子はどれくらいいるの?

ある調査では5歳時で15％、7歳で10％、15歳以上でも1～2％で、決してめずらしい病気ではありませんが、実際に治療を受けている方はかなり少ないです。

夜尿症の治療

何のために治療をするの?

保護者の方の洗濯も大変でしょうが、最も重要な点は夜尿症があることで「こどもが自尊心を低下させ、自信をなくして学校生活や友達関係で悩まないようにするため」です。お子さまにそのような素振りがみられたら早めに相談してください。
夜尿症は成長にともなっていずれ治りますが、治療により早くおねしょしなくなることで少しでもお子さまの精神衛生への影響を小さくするのが第一の目的です。
治療を始める時期はご家庭やご本人の事情を考慮して決定しますが、当院では小学校入学後になっても毎日おねしょする方に勧めております。

診断と治療はどうなるの?

夜尿症には原因により治療が異なってきます。

1. 夜間尿量が多いタイプ
2. 夜間に尿を貯めておく膀胱の容量が少ないタイプ
3. 尿意を感じても眠りが深くて気づかないタイプなど

したがって、夜間尿量や膀胱容量を保護者の方に自宅で調べてもらい、さらに早朝尿を持参してもらって浸透圧の検査をして治療方針を決めます。
治療を始めたらすぐに効果がでるケースばかりではありません。そのような場合は薬を変えたり追加することで効果が出てくることがよくありますので、あきらめずに相談してください。

生活するうえでの注意点

薬での治療をする前に、日ごろの生活で気をつける点をご紹介します。

1. 夜間のおしっこの量は、特に夕方以降の水分摂取量が大きく関係します。したがって夕食での水分摂取を減らすため、以下の点に気を付けましょう。
   • お味噌汁やスープなどはひかえる
   • 激辛や味の濃い料理の際にはどうしても多くの水が欲しくなるので、味付けに気をつけましょう。
   • 食事中や食後のデザートや果物では水分の少ないものを選ぶ、特に暑い季節では気をつけましょう。（夕方までの水分制限は必要ありません。）
2. 寝る前にトイレでおしっこをさせましょう。ただ睡眠中に起こす必要はありません。
3. やむを得ずオムツを使用する際は、使用する理由をご本人やきょうだいにわかりやすく説明して、いじめの原因にならないような配慮が必要です。
4. 修学旅行や宿泊を伴う校外学習では、予め学校に連絡しましょう。